市議会のようす−瀬戸市議団
【13.05.15】4.28と首相の歴史認識に想う
星条旗 晴れわたる空に翻り 拳にぎりて頭垂れた日々
4月28日、政府は日本が戦後、主権を回復し国際的にも独立国として認められた日とし、その祝賀イベントを実施しました。
しかし一方では、戦後の沖縄や小笠原はアメリカの施政権(半占領)下におかれ、その主権はアメリカが握り、沖縄の人々の暮らしはその下に置かれました。そのため当時は、式典においては常に星条旗に礼をつくせと命じられました。
しかし、当時那覇市長であった長瀬亀次郎市はそれを断固拒否し続け、星条旗に一切敬礼せず投獄されたこともありました。沖縄を犠牲にしてきた政権党の人々は星条旗に頭を下げてきました。その政権党がその後の国内政治においては、教育に国歌、国旗を持ち込み、子どもたちや先生に礼を求めてきました。
良心や精神、考え方の自由の保障こそ本来、学校でまもられるべき事項ではないかと想います。
そして政権党のいう自由こそ、自分たちの都合上の自由であり、何ら信念のないものであったことは沖縄の事実からも明らかです。
黒々と墨塗られし彼の国の 民の悩(おも)いを総理こそ識れ
先日の米韓首脳会談における韓国の大統領の声明は、国名については明らかに示されなかったものの、過去の日本の侵略戦争への痛烈な批判でした。大統領は、過去に起こした事態を識らなければ、明日を語ることはできないと語っており、それはまさに日本の首相の言辞をさしています。
歴史認識について日本の侵略はすでに決着済みの事実です。かつては日韓併合がなされた時代に詩人の石川啄木は、挑戦を日本の領土として地図に黒々と墨を塗ったのをみて心淋しい気持ちを詩っています。日本の帝国主義は大東亜の建設を理想として日本の経済主権と領土の拡張を推し進めてきました。アジアの各地で、抗日運動がおきた事例からも明らかなように、日本にとって都合の良い進め方をすれば、各国で反対運動が起こることは当然のことでした。
このように武力を背景にした海外展開は侵略以外の何者でもないことは明らかで多くの歴史家が実証しています。それを直視できない首相の認識こそアジアやアメリカから危険視されるのは当然のことでしょう。20世紀の戦争の世紀から教訓を引き出し、21世紀の平和をつくりだしていくことこそ、いまを生きる私たちの責任と思うものです。